経済活動の成果は、人々のあいだにあまねく均等にゆきわたるわけではありません。たとえば、賃金という勤労所得と、土地・家屋・株などを所有したり売却したりすることから得る資産所得との間には大きな差があります。同じ勤労所得のなかでも、職種、企業規模、地位、年齢、それに男女間で、大きな差があります。格差という言葉は、直接の意味としては大きな差ということです。格がちがうと言えるほどの大きな差。その表現法にはふた通りのものがあります。所得格差とか賃金格差などのように、何についての格差かを表現するものと、男女格差、地域格差などのように、何の間での格差かを言うものとです。ふたつを合わせて男女間昇進格差のようにも言います。さきほど「直接の意味としては」と限定しました。それはなぜかと言えば、格差とは格の違いを感じさせるほどの大きな差のことと言ってみても、その大きさがどれくらいなら格差に当たるのかなど、大きさの意味が、はっきりしていないからです。この点の結論を先に言えば、どれくらいの大きさの差かという点ではなく、どんな性質の差かということが焦点です。個々の主体の努力では埋めにくいような差と言えます。どうして埋めにくいかの原因はさまざまですが、もっとも強力なものは制度の作用でしょう。制度が努力の場や、努力の機会や、努力の成果の評価を制約してしまうという作用です。
教科書には、「一物一価」があたりまえのように書いてありますが、野菜の値段は同じ町内でもまちまちですし、土地の価格もばらばらなので、戸惑うことがあります。地価がとらえにくいのは、土地は売り手と買い手の相対で取引され、その取引価格が公表されるのはまれだからです。しかし、それでは地価の動きも、課税の目安もはっきりしないので、役所が取引の実例をもとに地価を調査しています。公示地価=国土庁が毎年1月1日現在の地価を調査し、4月1日に公示します。全国の約1万万7,000地点について、不動産鑑定士が土地取引の事例、地代、家賃などをもとに算定し、国や地方自治体が公共用地を取得するときなどの目安にされます。基準地価=各都道府県が毎年7月1日時点で調べ、9月に公表する地価で、調査地点数は約2万6,000です。公示地価を補完し、自治体が地価高騰につながりそうな土地取引を指導するときの基準になります。相続税路線価=国税庁が1月1日時点の地価として示すもので、相続税や地価税の課税の目安になります。公示地価の7〜8割の水準が目標とされています。固定資産税評価額=固定資産税、都市計画税、不動産取得税を課税する基準として、自治省が3年ごとに作成しています。調査時点は1月1日、調査対象は約40万地点です。
ドイツで風力発電がさかんな理由は、自然エネルギーで得た電気を電力会社が高価格で買い取ってくれる制度があるからだ。これにより、企業や住民は安心して再生エネルギーへの投資ができる。水素エネルギーも着々と開発がすすめられている。そもそも水素は単独では大気中に存在せず、水を分解して水素をつくり、それを酸素と反応させることで電気を発生させる。燃料を燃やさないから石油や石炭といった化石燃料のように二酸化炭素を排出しない。そのうえ、ガソリンの約3倍というエネルギー効率を誇る。再生エネルギーを使って水素エネルギーを生み出すことができれば、水素エネルギーも環境にやさしい理想的なエネルギーということになる。この水素エネルギーの分野で注目されているのがアイスランドだ。北極圏に位置するこのエネルギーでまかなっている。近年は水素エネルギーの研究に大きな力を入れており、2050年には化石燃料にはいっさい頼らない水素社会を実現したいとしている。